【乗車記】WEST EXPRESS 銀河 紀南コース上り(2021年7月)
1、乗った列車の情報
乗車日:2021年7月
会社・路線:JR西日本 紀勢本線・阪和線・大阪環状線・梅田貨物線
区間:新宮→京都(乗車は新大阪まで)
車両:117系(WEST EXPRESS 銀河、M117編成)
乗車設備:グリーン個室(プレミアルーム)2~3人用
人数:おとな1名、こども1名
2、コース
紀南コース上りのWEST EXPRESS 銀河は、新宮をお昼12時に出発し、10時間以上かけて京都まで走ります。
(JR西日本のニュースリリース(2021.5.13)から引用)
新宮を出発すると、紀伊勝浦・太地・古座・串本・周参見・白浜・海南・和歌山・日根野・天王寺・新大阪と停車し、京都へ向かいます。それ以外にも、数ヶ所で「運転停車(※)」があり、特急「くろしお」はもちろん、普通列車にまで道を譲ります。
※運転停車:乗務員交代や列車行き違いなどのための停車。乗客は外に出られません。
これだけ見ると、子供が10時間もの長時間の乗車に耐えられるか、ちょっと不安かもしれません。
しかし、紀南コースの上りは、途中で下車して散策できる駅も多いですし、WEST EXPRESS 銀河の車内の過ごし方の自由度も非常に高いので、意外と飽きずに過ごせると思います。
また、周りのお客さんも、新幹線のような静かな空間を求めていないので、多少騒いでも、笑って見守ってくれる方がほとんどのはず。子供連れで長時間でも、安心して楽しめる列車です。
3、乗車の記録
11:30~12:00 新宮駅発車前
銀河の旅がもうすぐ始まります!
11:45頃、6号車を先頭に、WEST EXPRESS 銀河が入線します。
こちらは最後尾、1号車。
もうすぐ出発!
12:00、新宮駅出発
先頭付近で、たくさんの方が見送ってくださいました。こちらも、笑顔で手を振って答えます。
新宮を出発すると早速、進行方向左側に「王子ヶ浜」が見えてきます。車掌さんによる、詳しい案内がありました。車窓の観光案内は、観光列車ならではの楽しみですよね。
今回私が乗ったのは左側・海側の個室だったので、部屋からゆっくり海を眺めることができました。右側の個室の方は、ぜひ、時々フリースペースに出て楽しみましょう!
12:21~12:43、紀伊勝浦
停車時間は22分間。ホームに出てゆっくりできます。
12:50~13:05、太地
「おもてなし」で、クジラの竜田揚げをいただきます。
太地出発後は、お待ちかねの昼食タイム!(内容については後で詳しくご紹介します)
紀伊田原駅で長時間の運転停車。普通列車と「パンダくろしお」に道を譲ります。
14:18~14:36、古座
1時間以上車内に滞在していたこともあり、外に出ている方が多かったです。
14:46~15:42、串本
紀伊半島の南端です。13時過ぎの昼食からあまり時間が経っていませんが、早くも軽食タイムです。(内容については後で詳しくご紹介します)
16:22~17:13、周参見
夏だったのでまだ明るかったですが、冬場だと暗くなってくる頃です。暑い中、駅から5分ぐらい歩いて、海水浴場で海水に触れてきました。砂浜に行くと子供はとても喜びますが、濡れると大変なので要注意です⚠
駅に戻った後の「銀河アイスコーヒー」(駅で販売してました)が美味しかった!
周参見を出ると夕食のお弁当が配られます。(内容については後で詳しくご紹介します)
しかし。
13時過ぎにボリュームたっぷりのお弁当をいただき、15時にカツオの刺身をいただいてからの、17時にボリュームたっぷりのお弁当は、小学生だけでなく大人にも結構ヘビー💦
新大阪や京都で降りるまでにゆっくり食べるか、自己責任で翌朝の朝食にしてもいいかもしれません。私は、1食を海南発車後に子供と2人でシェアし、残り1つは持ち帰りました。
17:42~17:55、白浜
そろそろ皆さん疲れてきたのか、停車中に車外に出る人は少なくなってきました。
白浜を出ると紀伊田辺で運転停車。ここで、車掌さんが交代します。
新宮から紀伊田辺まで、約6時間走りましたが、実は100kmちょっとしか進んでいません(^^;)
※写真は別の日のものです。
紀伊田辺から先は複線になり、停車駅も少なくなり、117系の本領発揮!という感じです。ここから先は、ほぼ車内で過ごすことになります。
子供にはちょっと退屈な時間帯。車内探検は、昼間より、この時間帯がいいかもしれません。グリーン個室やクシェットなら子供がゴロゴロしたりお昼寝したりできるので、おすすめです。
19:33~20:10、海南
海南市のキャラクター「海ニャン」が迎えてくれました。観光のための長時間停車は、これで最後です。
20:21~20:25、和歌山
ここ和歌山駅で、再度車掌さんが交代します。そして、ずっと走ってきた紀勢本線から阪和線に変わります。私たちは少し疲れて部屋で引きこもり状態、子供が寝てたので、外に出るわけにもいかず、このあたりの写真はありません💦
20:56~20:58、日根野
ニュースリリースの時刻表では停車駅になっていますが、実際には通過(運転停車)扱いでした。よく分からないですが、やはり部屋にとどまっているので、特に影響はありません。
21:32~21:34、天王寺
ラッシュも落ち着いた時間帯。天王寺で阪和線から大阪環状線に入り、梅田貨物線を経由して、新大阪へ向かいます。
21:51~21:54、新大阪
京都行きの銀河ですが、私たちは、新大阪でお別れ。京都に向かう銀河を見送って、帰宅しました。
以上、新宮から新大阪までの乗車の記録でした。
4、車内
昔、京阪神で新快速として走っていた117系電車の改造車、6両編成です。詳細はWEST EXPRESS 銀河の公式サイトもご覧ください。
1号車
「ファーストシート」という名前のグリーン車です。
(車内の見取り図:WEST EXPRESS銀河のサイトから引用)
車内はこんな雰囲気。
この「ファーストシート」は、夜行での1人旅や、昼行で親しい2人組での旅行にはピッタリで快適かもしれません。しかし、子供連れにはちょっと使いにくそうな印象です。座席の状態ではお昼寝したりゴロゴロしにくいですし、ベッドで2人だと窮屈だし、3人以上だと2区画に分かれるし、グリーン車だからあまりうるさいのも迷惑だし・・・
私なら、子供連れで乗る時は、他の種類の座席を選びます。
ちなみに、1号車の先頭側のデッキは、グリーン車専用のフリースペース。グリーン車の人しか入れません。
2号車
(車内の見取り図:WEST EXPRESS銀河のサイトから引用)
基本は、3号車のリクライニングシートや5号車のクシェットと同じです。男性はもちろん利用できませんが、「母+女の子」の旅行なら、女性専用車のクシェットはおすすめです。(おそらく、女性専用車両は、競争倍率低めです。)
3号車
フリースペース「明星」、「リクライニングシート」、「ファミリーキャビン」の3つのパートに分かれています。
(車内の見取り図:WEST EXPRESS銀河のサイトから引用)
2号車寄りは、フリースペース「明星」。子供にはちょっと高い椅子ですが、座ってしまえば、机の高さはちょうどいい感じです。
車両中央部は普通車指定席「リクライニングシート」。
広々とした座席「リクライニングシート」が20席並んでいます。とても快適そうな座席なのですが、昼寝したりゴロゴロしたりという身動きがとりにくいので、ファーストシートと同様、子供連れでの長時間の乗車には、ちょっとストレスかもしれません。
そして、4号車寄りにあるのが、コンパートメント「ファミリーキャビン」。
3~4人で利用できる半個室のスペース「ファミリーキャビン」は、完全に家族向けです。乳児のいる家族なら、ここが絶対おすすめ。やはり、フラットな空間は安全安心ですし、家族全員で川の字で寝るのも、楽しい思い出になるはず。ぜひ使ってみたい部屋です。
難点を挙げるとすれば、「半個室」というところ。通路との境目に鍵がなく、カーテンで仕切られるだけなので、プライバシー的には若干不安かもしれません。そして、入口が狭いのとイスがないので、体が不自由な方がいると使いにくいかもしれません。
という感じで、私も、ぜひ家族で使ってみたい席なのですが、2室しかないこともあり、なかなか当選しません・・・
4号車
「遊星」という名前のフリースペース。乗車している人は誰でも利用できる場所です。
(車内の見取り図:WEST EXPRESS銀河のサイトから引用)
日本旅行のスタッフの方は、通常、4号車で待機されていますし、車内販売も4号車で行われます。各駅から乗車する時も、4号車から乗ることになっています。お弁当の配布も4号車。
ということで、乗車中に何回かは必ずお世話になる場所です。
3号車側から見ると、こんな感じ。
手前は大人が立って利用する高さのカウンター。中央付近はベンチ風の席です。記念写真撮影用の日付入りのボードと、SNS投稿用のボードが設置されていました。
4号車のフリースペースは照明も明るいので、お客さんが少ないタイミングを狙って、家族で乗車記念の写真を撮るにはピッタリの場所です。時間帯によっては、車内販売の方や日本旅行の係員さんがいらっしゃるので、撮影をお願いすることもできますね。
その奥、5号車寄りは、4人掛けのテーブル席が4つあります。テーブルには、ボードゲームのマス目が刻み込まれているのですが、オセロ?チェス?将棋?4つそれぞれ違うので、遊ぶ時はよく見て選びましょう。
ちなみに、2021年度に乗った時は、感染防止のためのパネルが設置されており、ゲームの駒などの貸出もありませんでした。
もちろん、景色を見ながら家族で食事するのにもピッタリのテーブルです。
5号車
「普通車指定席」「ノビノビ座席」「クシエット」という3つの呼び名がありますが、一言で言えば、2段ベッドです。
(車内の見取り図:WEST EXPRESS銀河のサイトから引用)
車内は、2段ベッドが向かい合った4人用の区画が4つと、バリアフリー対応の区画が1つ。
お手洗いもバリアフリー対応です。
特に夜行の場合、ゆっくり横になって寝られるのは、ノビノビ座席の大きなメリットです。昼行の場合は、座り心地は座席には敵いませんが、長時間の乗車中、いつでも寝転んでお昼寝できるのは、大きなメリットです。ベッドの幅も広いので、大人1人+幼児1人なら十分に寝られる広さです。
そして何より。3歳ぐらい~小学生ぐらいの子供なら、単純に、2段ベッドが嬉しいはず(^^)。また、下段から床面までの高さが低いので、下段であれば、赤ちゃん~幼児を寝かせてもあまり危険がないのも有難いポイントです。
一方で、各ベッドは、頭側が薄いカーテンで仕切られるだけなので、プライバシーがしっかり確保されているとはいいがたいのが難点かもしれません。赤ちゃんの授乳は、授乳ケープとカーテンで隠れてするか、2号車の女性用パウダールームを利用させてもらうのが良さそうです。
そして、5号車のトイレは、おむつ交換台付き。小さい子供連れにも安心です。(他の号車のトイレにも、小さい子供用のイスがあります。)
ということで、ノビノビ座席「クシェット」は、子供連れにもおすすめです。
6号車
運転席のすぐ後ろに、フリースペース「彗星」、そこから後ろにグリーン個室「プレミアルーム」があります。個室の通路は、進行方向と平行ではなく、への字型。個室は台形で、独特な形です。
(車内の見取り図:WEST EXPRESS銀河のサイトから引用)
6号車のフリースペース「彗星」は、グリーン車以外の乗客が前面展望を楽しむことができる唯一の場所。(1号車はグリーン車専用なので。)子供も喜ぶスポットです。
ちなみに、運転席付近は、改造前の117系の雰囲気そのまま。そのため、運転席との間の窓は高めで小さいです。小さい子供は抱っこしてあげる必要があります(^^;)
側面の窓が開けられます。
次は、グリーン個室「プレミアルーム」
1番から5番まで、5室あります。1人用個室が1室ありますが、家族連れの場合は、4室ある複数用個室が最適です。
乗ってみないと見られない、2人用個室の室内の様子はこちら!!
窓側を向いて座れるソファーのようなシートです。背もたれを窓の方に向かって動かすと・・・
2人ぐらいで寝られるベッドになります。夜行列車ではシーツが用意されますが、今回は昼行ということで、ありませんでした。
鍵も閉められる個室の「プレミアルーム」は、子供が泣いたり騒いでも安心。赤ちゃんの授乳も室内で落ち着いてできます。広いベッドは、両親+子供2人ぐらい寝られる広さ。
ということで、乳幼児を連れて家族で乗るのにもおすすめです。
ベッドと床面の段差が大きいのが、小さい子供には少し心配ですが、段差があるのは横方向ではなく足元なので、あまり気にしなくてよいと思います。それより、寝転びながら景色が見られるベッドの高さを楽しむのがおすすめです。
ベッド・ソファーからテーブルをはさんで反対側には、1人用の座席。最も机が使いやすいのはこの席です。意外と居心地が良い場所でした。
そんな感じのゆったりした個室。私は、小学生の息子と2人で、若干スペースを持て余しつつも、ゆったり過ごすことができました。
おすすめはどの座席?
WEST EXPRESS銀河の中で、私も息子も断然おすすめなのが、グリーン個室「プレミアルーム」です。
扉が閉まりカギがかけられるというプライバシーがしっかり確保されている個室なので、やはり安心です。室内では周りに気を使う必要はないですし、最近は、堂々とマスクを外して過ごせるのも、個室のメリットですね。
赤ちゃんや未就学児を連れて行く場合にも、座る・寝る場所が確保できますし、多少騒いでも迷惑がかからないので、とても気が楽です。
そして、次におすすめなのが「クシェット」。せっかくの銀河、2段ベッドでゴロゴロしながら自由に過ごすのは、他の列車ではできない、とても贅沢な、楽しい経験です。
また、乗ったことはないのですが「ファミリーキャビン」も、小さい子供連れの家族には使いやすい座席です。
選ぶ時の参考にしてください。
5、飲食
紀南コースの上りでは、昼食のお弁当、軽食、そして夕食のお弁当がありました。
昼食「熊野を感じるお弁当」
見た目もきれいですし、普通に美味しいです。紀南の食材を使っていて、旅の思い出を語りながら食べるのにもちょうどいい内容です。お弁当に冷製スープなんて、初めてでした。
太地出発後に配られますが、長時間の運転停車中に食べると、列車が揺れてこぼしたりする心配も少なくて、安心です。
なお、車内では、お茶や水などの飲み物は配布も販売もしていない(もちろんお酒もない)ので、新宮駅出発前にコンビニなどで多めに買っておくと安心です。持ち込みは自由です。
軽食 生かつお刺身
串本駅停車中に、駅から徒歩数分のお店で、かつおのお刺身をいただくことができます。添乗員さんの先導で、グループに分かれて、「萬口」さんというお店に向かいました。この時間帯は、銀河利用者の貸切営業!
そして、出てきた、お刺身。
かつおのお刺身に、特製のたれがかかっています。醬油ベースでゴマの香りのするタレだったかな・・・
もちろん、美味しくいただきました。何よりも、普段あまり魚を食べない長男が完食したというのが、美味しかった証拠です。かつおが良かったのか、タレが良かったのか、場所が良かったのか、タイミングが良かったのかは、今となっては分からないですけど(^_^;)
ボリュームたっぷりのお弁当をいただいた後なので、お腹に負担にならない程度の少なめの量だったのも良かったです。
夕食「すさみ銀河弁当」
夕食は、「ホテルベルヴェデーレ」で作られた「すさみ銀河弁当」です。
内容は、
・すさみけんけんカツオの煮物
・すさみイノブタ(イブ美豚)の生姜焼き、コロッケ等
・すさみスルメイカの煮込
等々。
予想通りボリュームたっぷりで、長男と2人、1食でちょうどいいぐらいの量でした。残った1食は自宅へのお土産にしました。(賞味期限もあるので、このあたりは自己責任で。)
銀河での飲食、気を付けるポイントは?
銀河での旅行中の食事についてご紹介しました。お弁当は昼も夜もボリュームたっぷりなので、普通の人なら、量が足らないということはありません。ただ、水やお茶・アルコールなどの飲み物は、車内で入手できないので、事前に入手しておくのがおすすめです。(新宮駅前にはローソンがありました。)あとは、必要に応じて、お菓子やおつまみも少し持っておけば、長時間の旅でも、空腹で困ることはありません。
6、予約方法
2022年2月時点で、WEST EXPRESS 銀河に乗るためには、日本旅行のパッケージ旅行商品に申し込む必要があります。詳細は、WEST EXPRESS 銀河のWEBサイトからご確認ください。
7、料金
紀南コースの場合、「往復の列車+宿泊」のセットで、1人当たり2万円台後半~という価格帯です。乗車区間、利用する設備、往復「銀河」を利用するか片道「くろしお」を利用するか、利用するホテル、利用人数、等々の条件によって大きく料金が変わります。
小学生向けのこども料金も設定されています。利用するホテルによって、大人より5000円程度~1万数千円安くなります。
乳幼児向けの料金は設定されていませんので、申し込みの際、日本旅行さんに年齢と人数を伝えて、利用可否と料金を確認する必要があります。列車の座席を使わず、添い寝利用に対応しているホテルであれば、追加料金なしで参加が可能です。
なお、往復の列車と宿泊がセットになった旅行商品なので、銀河単独の料金は明示されていません。
8、子供連れおすすめ度
・おすすめ年齢:3歳以上(乳児も問題なし)
・おすすめシーズン:いつでも
・トイレ充実度:★★★★(おむつ交換は5号車のみ)
・大声許容度:★★★★★(特にグリーン個室は◎)
・飽きない度:★★★★(ゴロゴロできる席がおすすめ)
・総合点:★★★★
長時間乗車しても楽しめるような設備やイベントが充実しているので、子供連れでも安心して乗ることができます。子供の長距離列車デビューにぴったり!
親としても、3~4時間の新幹線や飛行機より、ストレスを感じずに乗れる列車です。
以上、WEST EXPRESS 銀河 紀南コース上りの記録でした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。